知ること、選び取ること。

スタッフ同士の談話の中からの、お話。先日の活動日に参加してきたSCAJ(SCAJ ワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2018)で紹介されていた最先端のスチームミルクの作り方の話から波及して、こんな話になりました。その一杯の作り方は、まるで王様に献上する至高の一杯のよう。もちろんそれはそれで良い、けれど私たちの目指すところは何処なのか。比較することでまた、くっきりと見えてくるものがありました。カネルブレッド の思い描く未来。私たちは未来に何を残したいのか。人と自然の共存が織りなす美しい風景、今を生きている子どもたちに食を通じて命の大切さを伝えて行くこと、自然の循環の中で生かされているという意識を持つこと。その中で一つ一つの選択に責任を持つこと。今日はそこから、日本での食品ロスの話です。

世界では、全人口76億人のうち9人に1人、約8億2100万人が飢えに苦しめられています。一方で、生産された食品の3分の1、13億トンあまりが捨てられている。全世界で生産されている食料は毎年およそ40億トンと、全人口を賄うのに十分な量です。しかし日本をはじめとする〝豊か〟とされている国々では余り物が捨てられ、一方では貧困や気候変動、紛争などによって、食料が足りなくなる「食の不均衡」が起きています。そうしたアジアやアフリカなどの食料で困っている地域(途上国、という言い方はしたくなかったので、困っている、という言い方にしました)に世界各国からの支援として集められている食料よりも多くの量を、日本では廃棄されているとのこと。

例えばコンビニでいつでも手軽に食べ物を得ることができるのはとてもありがたいことです。選び抜かれた素材に厳選された調理法で提供される至高の一杯、そういうものがこの上ない満足感を与えてくれることもあるのかもしれない。けれどその後ろ側にある大量の食品ロスについて、見ないふりをし続けていいのだろうか、と。価値観は人それぞれです。便利さが人を助けていること、美しさが人を楽しませていること、それを否定するのではなく、自分たちがやれることを無理なくやり続けることで、そこに追いつきたいね、という話をしました。子どもたちに食を通じて伝えて行くことも大切。毎食毎食何を選びとっていくのか、その行動は間違いなく世界と繋がっています。たとえば買う側が深く考えなくとも、家の近くで気持ちの良いスタッフが生き生きと働いている美味しいパンを売っているお店があってそこでパンを買っていたら、それが遠くや近くの生産者や地球環境を守ることにも繋がっていた、それはもう理想だなと思うのです。例えばいつかそういう風にして愛情を込めて作られたほんとうの食べ物がコンビニに並んでいて、それは捨てられることのないシステムにしっかりと組み込まれている、とか。それが自然と広がって行っている未来に思いを馳せつつ。そんなことを考えながら、カネルブレッド では自分たちにできることを粛々と続けます。食材や調理法の選び方の一つ一つの選択に責任を持ち改善を重ね、美味しさや楽しさも地球環境や人や動物を守ることも、どちらも兼ね備えた仕事を目指しているわけです。より多くの方から選ばれることで幸せの連鎖の輪を広げて行く、小さくとも確かに誠実な仕事を。